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教育システム:ドイツの教育制度

ドイツの教育制度


義務教育以前

 保育園(独)Kinderkrippe(キンダークリッペ)には満1歳から通う事ができます。
3-5歳児は幼稚園(独)Kindergarden(キンダーガーテン)に通う事が出来ます。
ドイツでは約94%の子供が幼稚園に通っています。
ドイツの「小学校」は日本の様に全日制ではない所もある為、4-6年生ぐらいまで、学校が終わった後に(独)Hort(フォート), {Schulhort(シュールフォート), Kinderhort(キンダーフォート)の略で、一般にHortと呼ばれている。}という 10歳以下の子供を世話をする所に通う子供もいます。
義務ではなく、有料で、学校が終わっても自宅に成人がいない家庭に利用されています。

義務教育

ドイツの義務教育は5-7歳から始まり(州によって何歳何か月から入学していいか決まりがあり、異なります。)
日本の小学校に当たる(独)Grundschule(グルンド シューレ)は1年生から4年生迄あり、4年生の時、担当教師と、親の面談を経て、また子供の成績と希望を考慮した上で、将来大学進学を目指す(独)Gymnasium (ギムナジウム)、職業訓練の方を目指す(独)Mittelschule (ミッテルシューレ)、(独)Realschule (レアルシューレ)、(独)Hauptschule (ハウプトシューレ)に5年生から分かれていきます。
(学校のレベルは成績が良い順に行ける種類で羅列)5年生以降、学区の縛りがなくなり、場合によっては、自分の住んでいる町を出て通う事になります。
例えばミュンヘンでは現在成績上位者の約40%の子供がギムナジウムに進学し、残りがミッテルシューレ、レアルシューレなどに進学しています。
ドイツの義務教育は日本と同様に9年間で、9-10年生、14-16歳頃に終了します。

大学入学への最短距離 ギムナジウム

ギムナジウムは、その特徴によって、ラテン語学習を必須とするヒューマンギムナジウム(HG)、必須の外国語を英語、フランス語、ラテン語から選べる新言語ギムナジウム(NG、日本でいう文系)また、サイエンス系(数学、化学など、日本でいう理系)に力を入れるギムナジウム(MNG, NTG)に大きく分類する事が出来ます。
5年生から10年生迄は全員共通の学習が進められ、10年生終了でドイツの義務教育が終了になり、就労可能になります。

義務教育後

(独)Gymnasium Oberstufe (ギムナジウム オーバースゥーフェ)は、11-13年生、日本の高校に相当します。
最初の2年間(11年生、12年生)の成績は高校卒業資格(独)Abitur(アビトゥーア)のポイントへ換算されて行きます。
アビトゥーアの試験の試験科目は4-5科目で、ドイツ語と数学は必須科目です。
試験は筆記と口頭試験があります。合計900点満点(成績1.0)で、最低300点(成績4.0)でアビトゥーア試験合格です。
この試験の成績が入学を希望する大学で審査されます。

職業訓練校とは

日本の中卒や高卒の人達が行く専門学校に相当する学校がドイツの職業訓練学校です。
ギムナジウムに通う生徒が、11年生、12年生で大学進学の為にアビトゥーア試験合格を目指すのに対し、他の学校(ミッテル、レアル、ハウプトシューレ)に行く生徒達は約9-10年間の義務教育修了後、将来の就職を目指し、職業訓練校に行くことを選ぶ人が大半です。
ドイツの職業訓練校は、日本の様に民間ではなく、公立です。
ドイツの職業訓練は別名デュアルシステムとも言われています。
職業訓練生は職業訓練校と実際の職場の2か所(デュアル)で職業訓練を受けます。
職業訓練学校では一般教養と専門教育の両方が行われます。
自分が習いたい職業を選び、その職業の職業訓練学校と職業訓練生を引き受けてくれる企業を探し、応募して、合格すれば職業訓練開始です。
職業訓練の長さは職業によって異なりますが、平均3年です。
訓練先の企業からも給与(300-800ユーロ/月)が貰えます。
職業訓練学校には、一度に何週間も通う時もあれば、週に3回は訓練先の企業で、残り2日を職業学校に行くなど様々なカリキュラムが組まれています。
職業訓練を無事に終えると、職業訓練修了の証明書が貰え、訓練先から仕事のオファがあり、訓練先でそのまま勤務する場合と、さらに上の学校に進学する権利を得るので、大学編入を目指して学業を進める事も可能です。

大学

ドイツには420以上の認められた大学が存在し、17000以上の専攻が存在します。
(独)Universität(ウニベルシテェト)という総合大学の他に(独)Fachhochshule(ファッホッフシューレ)、(独)Hochschule(ホッフシューレ)という専科大学があります。
最近は私立大学や、オンラインで授業をする(独)Fernstudium(ファーンストゥディウム)という通信大学や、働きながら大学に通うパートタイム大学(独)Berufsbegleitendes Studium(ベルーフスベグライテンデス ステゥディオム)を選択する人も増えています。
ドイツで取れる学位には(独)Bachelor(バチェラー)、(独)Master(マスター)、(独)Doktor(ドクター)です。期間は専攻にも拠りますが、通常それぞれ3-4年(6学期―8学期)、1-2年(2学期―4学期)で、研究課程の博士課程には4年以上かける人が多いようです。
以前は、(独)Magister(マギスター)、(独)Diplom (ディプロム)課程も多くありましたが、今は国際基準に沿った学位を与える大学が殆どです。

社会人教育

ドイツには社会人になっても公的、私的な機関で(独)Weiterbuildung(ワイタービルドゥング)成人教育の機会が多く設けられています。
例えばどの町にも存在する(独)Volkshochschule (フォルクスホッフシューレ)コミュニティカレッジでは、低価格で、スポーツ、音楽、語学、コンピューター、心理など幅広い学問を学ぶことが出来ます。
専門的な資格を取りたい場合は (独)Industrie- und Handelskammer (IHK) (インダストリー ウンド ハンデルスカマー)商工会議所のコースも受けることも出来ます。
その他私的な機関でも個々の能力を高める機会が多く授けられています。

教育システム/ドイツの教育制度.txt · 最終更新: 2020/10/15 16:57 by ryugakupedia